我々は、“いわゆる花火師”という職種のようだ。
花火を作ったり、花火を打ち上げたり。。。
まぁ、何年か続ければそれなりの技術は身に付くだろう。
しかし、現代はそれら技術を向上させ、さらに“花火を演出する”事が求められる
ってか、それを提供しなければならないと思う。
ちょっと、カルピスの話をしましょう。
1991年カルピスウォーターが発売された。その時のことを鮮明に記憶している。
ある映画館で、新発売のカルピスウォーターを自販機で買って
飲んだ瞬間。。。。
『甘えーーーーーーーーーーーーーーーー』
と、驚いたのでした。
子供の頃から希釈して飲んでいたカルピスは薄かった。と気が付いたのです。。。
話を元に戻します。
クライアントさんが花火演出に満足いただけていない事がたまにある。
【案件1】間延びした。
急遽現場でクライアントさんから依頼されて『組み込んだ演出プログラムをバラして時間を長くしてあげた。』が原因のようだ。
まぁ、これで問題ない事が多いのだが。。。
つまり、花火が薄くなったのである。薄いカルピスになってしまったのです。
演出する側は事前にイベントのコンセプトや、ロケーションや、花火の性質や、その他様々な事を想定、想像しながら演出プログラムを作ります、そしてその花火が綺麗に見えるように時間を設定しています。※カルピスでの5倍希釈である。
しかし、現場の適切な対応(時間を延ばした)がカルピスを10倍くらいに希釈してしまったのです。。。
花火演出とは、ご予算やレイアウトやコンセプトを考慮した最適な演出時間があるのです。
【案件2】去年より打ち上げ数を増やしてもあまり変わらない。
みなさんは、花火の数量が多いほどいい花火大会だと思っている方が多いようです。
これに関しては、花火に対する価値観がそれぞれ違うので正しい答えはありません。
ただ、同じ予算でもいろんな数が打てる理由は、、、
例えば、100マソ円の予算で複数業者に見積書を提出させたとしましょう。
A社 『300発打ちます』
B社 『900発打ちます』
C社 『2,000発打ちます』
はい、使うものが違うし、数え方が違うのです。
だから、入札で競争させてもいい結果が出るとは言えないのです。聞くところによると多くの場合入札ではいいモノが出ない、と言います。
同予算で数量を打てばいい花火大会になるとは言えないのです。
カルピス1に対して10の水を入れても美味しくないのです!
近年の私の経験では、『数量をダウンさせてじっくり魅せた方が満足いただいている』と断言できます。
数が増える事によりせっかくの見せたいモノや見せたい現象が見えなくなるのです。
数量を求めるとクォリティーや安全性は急降下する例も多く見られます。
昔のような、数ばかり跳ね上がる花火大会より、ちゃんとした花火が上がるほうがいいようです。
花火演出とは、ご予算やレイアウトやコンセプトを考慮した常識的な数量があるのです。
一度5倍希釈のカルピスを飲んでみませんか?
とってもおいしい時空を演出します。。。
【関連する記事】