2022年04月24日

数字で見る、とある花火製造所の2年間


これから出てくる数字は架空の数字である。(計算しやすくしています)


とある花火製造所
従業員:10名
年間売り上げ:1億円
年間製造数:10,000玉
販売価格:1発10,000円

2019年の夏に50会場で合計10,000玉の花火を打ち上げました。
売上金額は1億円でした。

その1億円は
次のシーズンまでの1年間の従業員の給料になります。
各種借入金の返済をします。
2020年に使う花火の原材料を買います。
工場施設の設備投資をします。
機材の設備投資をします。
税金とか税金とか税金を納めます。
夏が終わった2019年9月から2020年6月まで2020年の夏用の花火を作ります。


ところが


ところが


ところが


2020年2月頃、わけのわからんウィルス騒動が起きました。
その年の春の祭りが中止になり、様々な行事が中止になり
とうとうその夏の花火大会のほとんどが中止の方向でした。


とある花火製造所の作業は止まりました。
いわゆる【休業状態】になりました。
理由は、需要が無くなったのです、花火の行き先が無くなったのです。つまり予定の収入が無くなったのです。
2020年の夏の売上は1,000万円でした。(売れ残った花火玉9,000玉)
花火大会が中止になってもそれを補償する制度はありませんでした。
結果、通常の夏の90%ダウンでした。
夏が過ぎ、また【休業状態】になりました。
あらゆる支援を受けながら年を越す。


2021年が明けても、【休業状態】は続いていました。
各種借入金の返済をしました。
税金とか税金とか税金を納めました。
2021年、オリンピックイヤーに期待した夏
各地の住民から『花火は中止にする必要はないやろ!』の声が上がりました。
その夏の売上は前年より飛躍し3,000万円でした。(売れ残った花火玉、まだ6,000玉)
花火大会が中止になってもそれを補償する制度はありませんでした。
結果、通常の夏の70%ダウンでした。
夏が過ぎ、また【休業状態】になりました。
あらゆる支援を受けながら年を越す。


2022年が明けても、【休業状態】は続いていました。
各種借入金の返済をしました。
税金とか税金とか税金を納めました。
2022年春
3回目の夏を目前に、もしかしたら今ある在庫で乗り切れるのかもしれない。
【休業状態】は24ヶ月も続いています。





まとめ
とある花火製造所
2年間の売上:4,000万円(2年間で平均80%ダウン)
2年間の花火製造数:0玉
現在庫:6,000玉(時価6,000万円)
6月30日、延命の特例措置の期限が迫る。
※数字は架空の数字である。(計算しやすくしています)



日本国が世界に誇れる花火技術、
そして日本経済と住民モチベーションを上げる日本の花火、
それを生かすか、潰すかは地域の声、そしてあなたの声です。




追記:2010から始めたこのブログはこの記事で700回目の投稿でした。












posted by Z隊長 at 14:26| 大分 ☔| Comment(0) | 現場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする