2021年09月23日

花火を打ち上げることは簡単である


はい、過激なタイトルですが。。。
事実、そうなんです。


花火打上げ当日の作業よりも、それ以前の作業のほうが膨大なのです。


はい、説明します。


花火玉を製造する作業
これは開催1年以上前から製造します。
さらに、来年使う玉を創造しながらテスト打上をしながら1年以上掛けて製品化するのです。
色、音、形、バランス、等を改良していくのです。

申請業務
これは火薬類消費許可申請書類といわれる書類になります。
許認可機関に提出する火薬類消費許可申請書と他に
打上場所周辺の、国交省、県土木、港湾、管理している市町村、等への添付書類も必要になります。
少なくとも開催1ヶ月前には許認可機関へ提出します。
※75発以下の花火の場合にはこの書類が簡略化されます。


プログラム作成作業
花火玉の演出を構成する作業があります。
筒場のTPOや季節に合わせて玉を選んでいきます。
ほんの数秒の滞空時間を逆算したり、星の燃焼を逆算したり
数百種類の玉や数百種類の火工品から選び出すので、玉の性能を知らなければこの作業はできません。


プログラミング作業
作ったプログラムをデータ化するのです。
1/100秒や1/30秒で発射をコントロールするデータをコツコツ作ります。
出来上がったデータは何度も何度も何日も掛けてシミュレートし修正していくのです。
完成したらそれを点火器にダウンロードします。


火工作業
花火玉を打ち上げるには打上火薬(発射薬・黒色火薬)が必要になります。
その火薬を、各玉毎に計量(グラム単位)し、小袋に入れて仕分けします。
ザラ星等も演出にあわせた組み合わせをするので、小分けして仕分けします。
朴(昇り・尾曳)も色や現象があるので演出にあった朴を玉に接続火工します。
トラ(星・花束)も演出に合わせて火工していきます。

玉の仕分け
プログラムや地点毎に玉を仕分けします。
間違いが無いか何度も照合し確認していきます。
ここで導火線の火工処理をし、出荷状態になります。
1花火大会の玉の仕分けに2〜3日掛かることもあります。

延時
流し打ちの場合は延時導火線を作り、送りの秒時によって長さを変えて作ります(1秒・1.5秒・3秒・4秒・・・)
それに速火線や打上火薬をや筒蓋を接続します。


装填作業
玉を筒に装填する作業になります。
今までの作業があって、筒に装填していけるのです。
この作業で全天候対応できるのです。
開催日の数日前に作業始めます。

積み込み
現場に行く準備になります。
装填作業と同時進行になります。
開催日の数日前にトラック等に積み込みます。

当日
運転運搬
とても不安なのが、今後、2t超トラックを運転できる人材が激減していくことです。
つまり普免では2t超トラックは運転できない???
10年後には、花火は運送業者に委託する事になるのではないでしょうか?

現場作業
現場作業は簡単に言うと
場所決め→配筒→脚線結線→母線結線→準備完了


本番点火
1時間の花火大会でもスイッチ1回押せば全て自動点火も出来ます。
緊張するけど簡単です(笑)


撤収
機材バラシ、トラックに積み込み、清掃、、、
なぜなのか、来た時よりも荷物が多い(積めない)気がする
※積み方がきっちりできないので。。。

下ろし筒洗い
帰ったら機材を下ろします。
筒を洗います。



2020〜2021年、花火が中止になる案件がたくさん発生しています。
中止せざるを得ない状況かもしれませんが
実は花火屋ではすでに準備は進んでいたのです(準備を進めてないと開催に間に合わないのです)
花火大会の裏には、人の目に触れない膨大な作業があったのです。






posted by Z隊長 at 09:09| 大分 ☀| Comment(0) | 現場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする