2018年06月03日

花火大会中止になったら


過ごしやすいいい季節が過ぎ、梅雨が来て、
やがて野外イベントには強敵な夏がやってきます。。。

えっ?
『花火って夏にするものやろ!』って?
私は答えます
『花火を夏にするって言い出したは誰?なんで?ソースは?』と。

まぁ、それはさておき
夏は雨季です。近年は怖いくらいの雨や台風がやってきます。
野外イベントの中止がニュースにも取り上げられます。
結果、花火大会も中止になるケースも近年増えているように感じます。。。
夏の花火業界は過密スケジュールで延期等のフレキシブルな対応は難しいようです。結果中止。


さて、花火大会が中止になったら?
花火屋は玉を使ってないから被害ないやろ?


いえいえ、、、


Z花火大会の例
ご予算 ゲー
最大 7号玉(玉2,000 KGT類1,000 トラ類500)
シンクロ 1曲
トラック 3台 ワンボックス1台
現場作業者  12人

この花火大会の演出は2〜3ヶ月前に考えます。(以下、例)
保安距離、ロケーション、カラーリング、筒場の物理的状況、を総合的に演出に取り込みます。
音楽演出1曲ですが、2〜3日考えて、1週間修正を掛けていきます。
全体のご予算がアップしたり、オーダー演出があったりで数回作り直します。

プログラムが完成したら、そのデータをデジタル化して入力します。

そして、開催2週間前くらいに玉の出荷準備をします、導火線を加工します。
その玉をプログラム順に仕分けします。

2週間前、手伝いの花火師に声を掛け、その日に来てもらえるよう手配します。

1週間前くらいに、打ち上げ火薬の計量や発射用導火線の接続等の作業をします。
点火器にデーターをダウンロードして全ての回路をチェックします。

2日前くらいに、様々な準備をしながらトラック3台をチャーターして、機材を積み込みます。

そして、当日現場に出発します。


これのような作業をやって中止になる事があるのです。。。。。。



花火の準備って安全に打ち上げることを前提に準備をします。
中止の事を考えて準備してたら演出はできないのです。
そして中止で撤収しても解体作業があるのです。
導火線が雨に濡れた玉は廃棄、消耗品も廃棄、防炎紙も廃棄
電気導火線銅線が酸化してしまうし、撤収の時断線してしまうので廃棄
お持ち帰りのスターマインをバラしてもそれを1個1個チェックして照合するのです。
中止における撤収は、準備よりも手間も時間も掛かるのです。

仮に、延期となっても、延期までの期間や濡れた状態によっては一度蓋を開けてチェックします。
速火線や玉をチェックするのです。濡れたり湿気を帯びていたらなんらかの対策をするのです。
つまり花火大会の延期は準備作業を2回するようなものです。
さらに、翌週に延期って言われても夏の花火屋は翌週もスケジュールがパンパンじゃないかな?
結果無理な状況が考えられます。


花火大会で花火を打ち揚げる作業の7〜8割は前日には終わってるんじゃないかな?
当日の現場作業は2〜3割の作業量かも。。。
中止が発表されるタイミングの多くは7割くらいの準備を終えている場合が多いです。


えっ?その花火を別の花火大会で使えばいい?
いやいや、花火大会はその場所で使える玉のサイズが違うし許可条件がそれぞれ違うのです。
実際その玉は使える可能性はあまりないのです。
さらに演出はそのクライアントさん用のオリジナルなのでよそではマッチングしないのです。
そう簡単に使いまわしはできないのです。


これを、居酒屋さんでの宴会に例えると
大きな宴会のオーダーが来て、お客さんと料理の打合せをして、
食材を仕入れて、新しい器も買って、
秋田大仙市の某酒市場さんから旨い酒を仕入れたり、
沖縄の北谷ビールを特別なルートで手配したり、
知り合いの板さんにも来てもらって、仲居さんも雇って、
料理は完璧に盛り付けて、冷蔵庫に待機、
仲居さんはスタンバイおk

それが、何らかの理由でキャンセル。。。。
と同じような状況です。。。。



まあ、花火大会の中止や延期の理由は、
気象的な状態が大きな原因で、お客様が安全に、そして快適に花火を楽しめない状況が考えられる場合に決断します。
誰が悪い!なんでや!ってもんじゃないのです!


いろいろ考えてみると、夏の激戦期で気候不安定、そして気温や湿度が高く、蚊の多い時期より
秋、春、冬に移行したほうが何かといいんじゃないかな?
クライアントさんも、お客さんも、そして花火屋も。。。。。。。







posted by Z隊長 at 10:29| 大分 | Comment(0) | 現場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする